風の向かう場所を、



知っている人は誰もいない。



そして、風も



自分の行く先を知らない。



何も持たずに、どこへ行く。



砂漠の向こうのオアシスか。



花畑の楽園か。



あるいはどこかの知らない町か。



風は問に答えることもなく、



私の穴だらけの心を



吹き抜けていった。