直人は空を仰いだ。


「お前ってほんと不器用なやつだよなあ」



珍しく感慨深げに言う直人がなんだか遠い人に見えた。



「・・・直人よりは器用よ」



「いんや、柚葉の方が不器用だろ」



私と顔を合わせると、にかっと笑った。



いつもヘラヘラしてるくせにまるで心の奥を見透かしているかのような目をする。



それでも私は直人のように素直にはなれない。



「ばかね」



「馬鹿はおめえだっつの」



じと、と横目で直人を見る。



これ以上私の中に入り込ませたくない。


たとえ、直人であっても私の中には入らせない。







怖いんだ。


-------弱い自分を見せたくない。