「おはよーっす」


後ろから声をかけてきたのは直人だ。


「はよー」


なんとなく気だるげに返すと、直人が顔をしかめた。


「今、お前が思ってること当ててやろうか。」


「やってみなさいよ。」


「私の愛しの和馬じゃないのね…ああ、でもカッコイイ直人様に朝から会えてうれしいわ!この感動を何とか伝えられないものかしら」


語尾にウフっとハートマークがつきそうな喋り方に私はちょっと、いや、かなり引いた。


朝からこんなものを見せられるなんて


「・・・目が汚れる」


ボソッとつぶやくと、直人が目じりを吊り上げた。


「ああ?んだとコラ」


お前はチンピラかっての。


「朝からキモすぎるんだよ」


「この直人様の迫真の演技、なかなか核心をついてるとおもわねえか?」


へへっと笑う直人。