ちょっと呆れたように言うと


「あっ、柚葉!」


私がいたことに気が付かなかったみたいで、なんとも間抜けな顔を私に見せた。


そんな直人に私は笑みをこぼして彼の方を向いた。



「和馬も直人に謝ることないからね?直人なんていっつもゲームかサッカーのことしか考えてない単細胞なんだから。」


「ああ?なんだ単細胞って。単細胞生物ってすげーんだぜ?」


「じゃあ何がすごいのか言ってみなさいよ。」


そう言うと直人はなんとも言えない顔をした。


うっと顔をしかませて、目をキョロキョロさせる。


「ほら一個しか細胞がないなんて人間とは違ってすげーってことなんだよ!」


なかばやけくそのように言う直人がおかしくて笑ってしまう。