あなたの幸せだけを願う

「よかったのか………?」

「うん………」

どんどんぼやけてくる視界……

本当は行かないでほしかった。
一緒に花火を見たかった。

ドン、と花火の打ち上がる音が鳴り響き、夜空に花が咲いた。

すると何かが外れたように涙が溢れた。

「私ね………髪切ったんだよ………」

「うん……」

すると優斗が私の髪に触れて「似合ってるよ花」そう言ってくれた。

涙が止まらない私を見た朔は私を優しく抱きしめた。


「浴衣も髪も、どれもどんなやつよりも1番似合ってる」

「だから泣くな」

私が聞きたかった事を言ってくれる2人。
嬉しくて余計に涙がでた。

「ごめんね………」

「ありがとう」

私は2人の手を取り歩いた。

「花火!早くしないと終わっちゃうね」

「あぁ」

「見に行こ!」

そう言うと笑顔で頷く2人。

2人の笑顔を見たら自然と涙が止まった。

ねぇ、陽…………
私の方が先に好きになったんだけどな………
陽………誰よりも幸せになってね………












******** おしまい *********



最後まで見て頂きありがとうございます

これからも少しずつ頑張るので見ていただけると嬉しいです。