ゴールデンウィークは何事もなく過ぎた。

同じクラスの太陽が、ぐったりと机にうつ伏せている、休み明けの朝である。

金森と烏丸、前後の席だ。

自席の椅子を引くと、音に気づいたのか太陽が鈍い動作で体を起こした。

「……紅羽、おはよー……」

「おはよう」

声に覇気がない。

顔色もよくない。

目の下にはうっすらとクマがある。

「……大丈夫?」

瞼が半分下りている彼に、思わず言ってしまう。