「紅羽ー」

「なに?」

太陽はいつの間にか椅子に腰かけていた。

「俺、おまえと曲作るの楽しいわ。自分でもよくわかってないものだけど、おまえが弾いてみせたら、ああこうだって思う」

「……そう?」

「うん」

楽しそうに彼は笑う。

「おまえが入ってくれてよかったよ」

無邪気な言葉に、紅羽は素直に喜べない。

紅羽が入部したのは光輝の願いを聞き届けたからだ。