「兄貴、ハピバ」

「はえ?」

太陽は間抜けに妹を見返した。

いかにも寝起きです、と主張してでもいるような、ぼんやりした眼とぼさぼさの髪だ。

そしてそれは太陽も同じである。

「自分の誕生日忘れたの?」

「……あ!」

そう言われて思い出した。

なにしろ盆明けだし、部活で忙しいし、すっかり頭から抜け落ちていたのだ。

今日は太陽の誕生日だ。