終業式を終え、夏休みに入った。

一日の半分を部室で過ごすような日々が、七月中ずっと続いていた。

そしてそれは、八月になっても続くのだろう。

「ふー……」

八月一日、紅羽は疲れた体をベッドに投げ出した。

窓の外には夕日が見える。日が落ちるのがずいぶんと遅い。

このまま横たわっているだけで眠りそうである。

制服を着替えなくてはいけないし、そのうち兄が夕飯のために呼びに来るし、風呂にも入らなければいけないのに。

まあいいか。疲れてるし。眠い。

一日中部活をすれば、誰だって疲れるだろ……。

働かない頭で言い訳をして、紅羽は目を閉じた。