衒いなくそう言う彼は、相も変わらず眩しい。

紅羽は目を逸らしかけるが、思いとどまった。

いつまでも太陽から顔を背けていたくない。

一直線に翔んでいけるくらいになりたい。

「わかった。言っておく」

小さく頷いて、絶対に光輝をライブに来させる、と心に刻んだ。

「よし! そうと決まれば!」

太陽が前に拳を突き出した。

三人分の視線を集めて、目を爛々と輝かせ、唇に笑みを浮かべている。

「目標は、文化祭ライブの成功! この夏、そのために力を尽くす!」

弾けるような宣言が響いた。

「……うん」

いつの間にか紅羽も笑っていた。

「いいね。なんとしてでも、成功させよう。そのために、みんなを支えるよ」

拳を作って、太陽のそれにこつんと合わせる。

二人の拳に、すぐさまもう一つ加わった。

「太陽と烏丸は、好きに弾いていていい。煩わしいことは俺がやる」

真面目な顔で律儀にそう言う焔だ。

心なしか、いつもより柔らかい目つきをしている。

そして四人目。

彩人は苦笑を浮かべながら拳を合わせた。

「三人とも、夢中になると突っ走るからなあ。誰かがリズムをとってあげなきゃね」

眼前の四つの拳越しに、四人は目を見交わした。

いつも演奏前にするように。呼吸を合わせる合図のように。

「──絶対に、ライブを成功させる。俺たちの最高の音を、響かせよう!」

「おー!」

叫びながら四人同時に拳を突き上げた。

“midday crow”の、初めての誓いだ。