その後、遅れて授業に出るのは目立つし、男女二人だとあらぬ誤解を──というか誤解とも言いがたい──受けそうなので、太陽と紅羽はそのままサボった。

うっすらと罪悪感、けれど興奮とスリルに胸は弾んでしまう。

せっかく部室にいるので、滞っていた新曲作りを再開させることにした。

キーボードの音量を極力下げて、ひそひそと、けれど熱く、音符はぽんぽん飛び出てくる。

座り込んだ周りに五線譜を撒き散らしていると、聞きなれた声が降ってきた。

「……はて。こはいかに?」

「あれ、惨状だな」

ちゃんと授業を終えてやってきた彩人と焔がそこにいた。