「話すべきこと?」

「そう」

ようやくマイクのスイッチをオフにして、太陽は椅子に座る。

「紅羽さー、阿鳥光輝って男子知ってる?」

きた。

紅羽はゆっくりと炭酸を口に含む。

焦ってはいけない。

上手く彼らと離れるために、光輝との関係はないことにしたほうがいい。

「えっと、あの噂の人のこと? 失踪したとかなんとか」

校内で出回っていて、友だちから聞いたことだけを口にする。