音楽をする気分でもないので、焔と彩人はぼんやりと、部室で二人を待っていた。

「──あ、そうだ」

思いついたように焔が言う。

光輝の思い出話をしていたところだった。

「なに?」

ふあぁ、と彩人はあくびをした。

「さっきちらっと思ったんだけど」

「うん」

「烏丸と光輝って、どういう関係?」

「へ?」

「え?」

眠たげな目を開けて、彩人は焔と目を見合わせた。