焔が頷いてくれて、紅羽はやっと肩から力を抜けた。

「よし。よかった。では紅羽ちゃん!」

「え? はい」

「太陽のこと迎えに行ったげて」

「はっ……!」

そうだった。最初の問題はそれだった。

時計を見上げてみると、なかなかいい時間である。

「……いってきます」

「うん!」

にこにこ顔の彩人が扉を開けて、紅羽は再び、廊下を歩き出すのだった。