太陽の追試が終わったので、部活が通常運転に戻った。

何曲か合わせたが、太陽がハイテンションでギターも歌も走っていた。

窓の外では雨が降っている。

梅雨明けはいつになるのだろう。

「……紅羽!」

ぼんやりしていると、太陽が思い切った顔で声をかけてきた。

「なに?」

「お願いがあって」

お願い?

改まってなんだ。

「嫌」

「なんで!? 内容聞きもせず!?」

「太陽くんが真面目な顔してたら、嫌な予感がするから」

「酷くね!?」

「じゃあお願いってなんなの?」