「……そういえば、こーくん」

「なに?」

「こーくんの一人称、たまに「俺」になるけど
それってなんで?」



こーくんの家で

机を挟んで課題に取り組んでいた私とこーくん


手を休めた時に
ふと前から少し気になってたことを聞いてみた


「…」


にこにこしてたこーくんは

急に笑顔を消して

焦ったように目を逸らして


何故か沈黙



「こーくん?」


「……答えなきゃだめ?」


「気になる」


「…」



……
……
……


「…」


無言の応酬


やがて

私の視線に耐えかねた様子のこーくんは


それはそれは深くため息をついた後に


重い口を開いた