「……本当はもっと、優しくしたかったから」



つむぎの初めて。

できる限り優しく
つむぎが苦しくないようにしたかったのに

真逆の結果になってしまったから。



「…こーくん、優しかったよ
ずっと名前呼んでくれたし
ちゃんと優しく触ってくれた」



自己嫌悪に浸る俺につむぎは紅潮した顔のまま
けど、必死に俺を庇うように言葉を向ける。



「…つむぎは、嫌じゃなかった?」



あんな、余裕のない自分。

飢えた犬のようにつむぎを貪る自分。



俺は正直、自分で嫌だった。



「嬉しかった」



つむぎはもう一度、同じ言葉を口にした。



「こーくんと一緒になれて
すごく嬉しかった」



…。


……やめてほしい。


そんな本当に嬉しそうに笑うのは。


今すぐにでも、また襲いたくなるから。



俺の葛藤なんて知らないつむぎは
追い討ちをかけるように

次々言葉を向けてくる。



「余裕ないこーくんも、かっこよくて好き」


「激しくても、それでも優しいこーくんが好き」



「全部好き」