『大好き』

『…うん』



ぎゅっと抱きついてくるつむぎを
抱き締め返し、あやすように頭を撫でた。



昔の俺からしたら
今のこの現状だってありえないくらい幸せなんだ。


朝起きれば隣につむぎがいて
帰ればここで笑って出迎えてくれて
1日の最後を一緒に過ごす。


長期戦を覚悟していたけど
思いのほか早く、つむぎは俺を見てくれた。


選んでくれた。


好きだって言ってくれた。


今、こうして傍にいる。


充分満たされてるんだ。



『……無理してないの』

『ん?』

『緊張するし、……怖い気持ちはあるけど
でも、こーくんと……したい』

『…』

『こーくんのものになりたい』



……この子は
どこまで俺を追い詰めたら満足するのか。


俺の腕の中で安心しきっていたつむぎは
目を瞑ったまま


おもむろに落ち着いた声でそう言って


それから


ふわりと花が咲いたように笑って俺を見上げた。



その顔はすごく可愛くて



目を細めたまま
俺の手をとって頬を擦り寄せるその姿に


心臓がうるさく鳴り出した。