幼馴染との正しい距離感

「……あのさ、聞いていい?」

「うん」

「付き合ってるんだよね?」

「ううん」



答えると
同じクラスの友達のミキちゃんが
嘘でしょ……っと驚愕の表情を浮かべる。



「毎日毎日、朝も帰りもお昼も一緒で
しかも、人目もはばからず
あんだけイチャイチャしてて、付き合ってない!?」

「い、イチャイチャなんてしてない!」

「してんのよ!
毎日毎日廊下で抱き合ってるでしょーが!」

「あれはっ、こーくんが勝手にっ」

「されるがままのあんたも同罪!」



びしっと指をさされ、そう断言され
そんなぁ……っと肩を落とす。



「つむぎ
あんた矢橋君のことどう思ってるの?」

「好きだよ」

「それはライク?ラブ?」

「うーん……ライクとラブの間の好き」

「なに、そのどっちつかずな好きは」

「分かんないよ
こーくん、昔からあんなだし
私もこんなだし」



べたべたしてくるのは
今に始まったことじゃないし

昔からスキンシップは激しかったし

こーくんのその行動に
恥ずかしさはあっても、嫌じゃないし…