「…」



変わらず優しく笑うこーくんに
私は、そっと手を伸ばす。


背伸びして


触れた方とは逆のほっぺに
ちゅっと、軽くキスを落とす。



「……じゃあ、お嫁さんにしてくれる?」



触れるのも、触れられるのも
こーくんがいい。


こーくんに
ずっと、一緒にいて貰いたい。


これからも隣に


誰よりも近くで。



「……つむぎちゃん
あんまりこういう可愛いことしないで
襲いたくなるから」



こーくんは一瞬、目を丸くして
少し照れたように、自分のほっぺたに触れて



それから



「お返し」



私のほっぺたにキスを落とす。



「っ!」

「…もう少し大人になったら
もう一度、必ず言うから」



不意打ちに、また赤くなる私を見下ろして


こーくんは柔らかく笑って


未来の、約束の言葉を口にした。




「僕のお嫁さんになってって」




『必ず、つむぎちゃんを幸せにするから』



耳元で囁かれた言葉。


その声はどこまでも優しくて、甘くて



私は


多分ずっと
こーくんには敵わないんだろうなって


でも


それでもいいやって


優しく抱き締めてくれるこーくんに


絶体幸せにしてもらおうって


私もこーくんを幸せにできるように頑張ろうって



微笑みながら思ったんだ。