余裕のある態度がずるい。



「……こーくん、なんで息乱れてないの」

「つむぎちゃんより、肺活量あるからね」

「…ずるい……」

「つむぎちゃん」



こーくんがむくれる私の顔に触れる。


さっきの今で
ぴくんと体が反応してしまう。


ほんの少し身構えながら
そっと目線をあげれば
こーくんは愛おしそうに私を見つめて



「好きだよ」

「っ」



その表情に、放たれた愛の言葉に
また、私の心臓は騒ぎ始める。


赤面する私に
こーくんは畳み掛けるかのように
言葉を紡いでいく。



「つむぎちゃんだけだよ
僕がこんなに好きだって思うの
触れたくて仕方なくなるの」


「つむぎちゃんが僕を好きになるまで
いつまでだって待ってようと思ってた」


「僕には、つむぎちゃん以外
考えられなかったから」


「子供の頃から当たり前に
つむぎちゃんを僕のお嫁さんにするんだって
思ってたから」









「…………ほんとに……ずるい……」



熱い顔を隠すように
こーくんの胸におでこをくっつけて
小さく呟く。



こーくんが好きだって自覚した今

あんなことされて

こんな熱烈な言葉を向けられて



…………嫌なわけない。



好きな人からされたら

言われたら


嬉しいに決まってる。