「つむぎちゃん」
「うん?」
「えい」
「っ!」
思ったそばから
唐突に抱きしめられる。
……はわわわ……っ
猫のように私の頭に顔を擦り寄せながら
幸せそうに笑うこーくん。
突然のスキンシップは、いつものことだけど
相変わらず耐性のない私は、真っ赤になる。
「つむぎちゃん、シャンプー変えた?
いい匂い」
確かめるように
すんすんと匂いを嗅ぐこーくんに
さらに真っ赤になって、慌てふためく私。
「か、嗅がないで!」
「えー?いい匂いなのに……」
「あと、こーくん
人に見られてるから離れて…っ」
「えー?つむぎちゃんが可愛すぎて離したくない」
通勤通学の人の邪魔にならない
歩道の端でのやり取りとは言え
行き交う人の視線が痛い。
「ふん…っ」
両手でこーくんを押し返すけど
……っ、こーくんの馬鹿力っ!
微動だにしない。
「……こーくん」
「うん?」
「離してくれないと、絶交」
私の抵抗をものともせず
余裕の笑顔を浮かべていたこーくんだったけど
ぽそりと呟くと、ぱっと私から離れた。
普段はこーくんが優勢だけど
最後には、私のこの言葉が勝つ。
切り札の「絶交」の言葉。
これを使うと
どんな時でもこーくんは折れる。
顔は笑ったままだけど
ぴしっと居ずまいを正すこーくん。
そんなこーくんに満足気な顔を向け
「行こ」
学校へ向かった。
「うん?」
「えい」
「っ!」
思ったそばから
唐突に抱きしめられる。
……はわわわ……っ
猫のように私の頭に顔を擦り寄せながら
幸せそうに笑うこーくん。
突然のスキンシップは、いつものことだけど
相変わらず耐性のない私は、真っ赤になる。
「つむぎちゃん、シャンプー変えた?
いい匂い」
確かめるように
すんすんと匂いを嗅ぐこーくんに
さらに真っ赤になって、慌てふためく私。
「か、嗅がないで!」
「えー?いい匂いなのに……」
「あと、こーくん
人に見られてるから離れて…っ」
「えー?つむぎちゃんが可愛すぎて離したくない」
通勤通学の人の邪魔にならない
歩道の端でのやり取りとは言え
行き交う人の視線が痛い。
「ふん…っ」
両手でこーくんを押し返すけど
……っ、こーくんの馬鹿力っ!
微動だにしない。
「……こーくん」
「うん?」
「離してくれないと、絶交」
私の抵抗をものともせず
余裕の笑顔を浮かべていたこーくんだったけど
ぽそりと呟くと、ぱっと私から離れた。
普段はこーくんが優勢だけど
最後には、私のこの言葉が勝つ。
切り札の「絶交」の言葉。
これを使うと
どんな時でもこーくんは折れる。
顔は笑ったままだけど
ぴしっと居ずまいを正すこーくん。
そんなこーくんに満足気な顔を向け
「行こ」
学校へ向かった。


