それってつまり…


…………こーくんに
口移しで飲まされたってこと?







……や、いくらなんでもこーくんがそんなこと…







…………普通にしそう。


私が弱ってるってなったら
こーくんはきっと、どんなことでもする。


そこに他意はない。
純粋に私を助けようとしてくれてるだけ。


分かってる。


……分かってるけど


今回の件に関しては


もし本当にされてたなら…



……ちょっと無理!!



「~~~っ!!!」



声なき悲鳴をあげる。


下がったばかりの熱が
瞬く間に上がっていくのがわかる。



無理!無理無理!!さすがに無理!!!


そんなの、恥ずかしすぎて死んじゃう!!



「…」



……ど、どうしよう。


こーくんの顔、まともに見れる自信ない。




「……どうしよう」

「なにが?」

「!こ、こーくん……!?」



熱いほっぺに両手を当てて、呟けば
いつの間にか後ろにいたこーくんが声を返す。


タオルの下の前髪から
ぽたぽたと雫が落ちてる。


私にはちゃんと乾かさないとって言ったくせに
こーくん、自分の事にはルーズなんだから……


…。


……って、ちがう!
今はそんな事考えてる場合じゃないよ!!


セルフツッコミをいれた後
取り繕うように、こーくんに笑顔を向ける。



「こ、こーくん
お風呂、はやいね?」

「そう?
まあシャワーだけだし
……というか、つむぎちゃん」

「!」



ずいっと、こーくんが距離を詰めてきて
その整った顔が近づいてくる 。



な、なになに……っ!?



反射的にぎゅっと目を瞑る。