幼馴染との正しい距離感

「…」



目が覚める。



…………体、重い。



気持ち悪いのはなくなったけど
まだ、ふらふらする…


ゆっくり体を起こして



……こーくん。



すぐ傍で眠っていたこーくんを見つける。



「……今、何時……?」



部屋の時計に視線を向ける。


テーブルの上に置いてある
デジタル時計の時間は…


『AM1:18』



……1時…


…………1時?!夜の!?



「こ、こーくん」

「んー…」

「こーくん、もう夜中だよ
こーくんの家族、心配するよ」



具合が悪いことも忘れるくらい
慌てて、こーくんを揺すり起こす。



「こーくん」

「…………。…………どうしたの
気持ち悪い……?」



珍しく、こーくんが早く反応を返した。



「こーくん、もう夜中だよ
お家の人、心配してるよ」

「…………ああ。大丈夫だよ
連絡いれたし…」



少し眠そうではあるけど
普通に会話が成立してる。

普段のこーくんならまだ意識は夢の中なのに。



…もしかして

…………私が体調悪いから、気にして……?



ごしごしと目を擦りながら
こーくんはもたれかかっていたベットから離れる。



「……おばさん急に仕事入ったんだって
でも、つむぎちゃんが心配だって言うから
僕が泊まって看てますって言ったの」

「……泊まって?」

「うん。明日土曜だし」

「…なんか、ごめんね……」

「?なんで謝るの?」

「だって…」

「僕は役得だよ
つむぎちゃんと一緒にいられる口実が出来たし」



徐々に覚醒してきた様子のこーくんは
いつもの笑顔で私を見つめる。