幼馴染との正しい距離感

「……こーくん」

「ん?」

「…………手、握って」



そっと布団から手を差し出す。



熱で視界がまわって


気持ち悪くて


………無性に不安になって


持っていかれそうになる意識を留めて欲しくて



こーくんに手を伸ばす。



「うん。いいよ」



こーくんは優しく笑って手を握り返してくれた。



「……こーくんの手、冷たくて気持ちいい」

「それは良かった」



ひんやりとしたこーくんの手の温度に
少し気持ちが落ち着く。



「…」



こーくんはもう片方の手で
私の頭を何度も優しく撫でてくれる。


その優しい手付きが、眠気を誘う。



……ねむい。



あんなに寝たのに、まだ全然寝たりない。
体は深い休息を求めてる。



「……こーくん」

「うん。眠るといいよ
僕は傍にいるから」



最後まで言わなくても
こーくんは分かってくれる。



安心してそのまま眠りについた。