幼馴染との正しい距離感

いつもだったら屋内に入れば
ある程度、気分が良くなるんだけど…


……今日は全然だった。



「…ちょっとヤバいんじゃない?」

「……うん」



お昼前の休憩時間。
心配したミキちゃんが声をかけてくれた。



……すっごく頭が痛い。



薬を飲んだのに
朝からずっと、頭の痛みが収まらない。


頭全体をぎゅーっと締め付けるような痛みは
収まるどころか悪化してる。


机に突っ伏し
痛みに耐える私にミキちゃんは言った。



「もう帰って
ゆっくりした方がいいんじゃない?」

「…………うん。そうしようかな…」



このまま、放課後までは耐えられそうにない。

課題は無事提出できたし…
ミキちゃんの言う通り、今日はもう帰ろう。



「先生と、矢橋君には
私が伝えておくから、帰り支度しな。
…ひとりで帰れる?それともついていこうか?」

「大丈夫。ありがとう」



顔をあげて
ミキちゃんに小さく笑いかける。


具合は悪いけど
ひとりで歩いて帰れないほどじゃない。



ミキちゃんの言葉に甘えて
のろのろと帰り支度を済ませた後


私は、そのまま学校を後にした。