左耳に付けたイヤホンが何か言ってくると思ったが、

静かなままだったのでベンチを立ち上がる。


不思議そうな表情で俺を見つめる黒部さんに改めて一礼すると、

穏やかな笑みを浮かべてくれた。


「サンマも好きですが、私はやはりチンジャオロースが一番好きですね。」


「・・・・・チンジャオロース?」


「はい。どうかご無理なさらずにしてくださいね。」