「お兄さんは新しいスタッフさんですか?」


「いえ・・・警察の人間です。」


「警察・・・?何かあったんですか?」


「・・・・・・・お嬢様の事で何か覚えていることはありますか?」


「お嬢様?・・誰のですか?」


「・・俺は今、黒部リカさんの誘拐事件を調べています。」


「黒部リカさん・・?」


「あなたのお嬢様です。」


「はて・・?
私に家族はいませんけど・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「いやぁやはりサンマは七輪で焼くのが一番ですね。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「それはそうと、お兄さんは新しいスタッフさんですか?」



「黒部さん。」


「・・?」


「お嬢様を誘拐したと名乗る男が現れました。

その真相がどうであれ、20年前にあなた方ご家族の人生を狂わせ・・

一人の刑事が命を賭けて追い続けたこの忌まわしき事件は、必ず俺がケリをつけます。

そして・・・・・
リカさんを必ずあなたの元へ・・。」


「大丈夫ですか?
ご無理なさらずにしてくださいね。」


「・・すみません、お邪魔しました。」


「あら?もうお帰りに・・?」