「・・・・ある人の・・
想いを遂げたい・・・
これは県警としての依頼ではなく、
私個人的な依頼となります。」
「・・・・・ある人・・?」
「20年前、私はリカさん誘拐事件の捜査担当者でした。」
「!?」
「“リカさん救出失敗”という絶望に立ち会った男です。」
「・・そうだったんですか・・。」
「捜査の指揮を取っていたのは東条警部という、
私が新人の頃からお世話になり、
ずっと憧れ続けていた先輩。
交渉失敗後も、
私と東条さんはずっと犯人の正体、
そしてリカさんの行方を追っていました。
日が経つにつれ捜査員が縮小されても・・
私達二人だけになっても、
ずっと追っていました。」
「・・・・・・・・。」
「しかし・・情けないことに何一つ手掛かりを見つけられなかった。
そのうち、当時の県警上層部から、
東条さんへの責任追及が始まり・・
東条さんは降格処分を受けました。」
「・・・・・・。」



