警視庁広報部 地域PR課。


捜査1課で刑事としてのキャリアを積んでいた俺は、

ある事件をキッカケにここへ左遷された。


但し、“左遷”と表現するのはこの地域PR課の正体を知らない人間に対してだけ。


ここの正体は・・俺が刑事としてのキャリアを再出発させる事となった、

この職場の正体は“刑事部 捜査6課”。


人手不足が主な理由だけど、全国の警察署から寄せられる“応援要請”によって、

ネコ探しだろうがなんだろうが、
どんなヤマでも対応に当たる部署。


重度のパニック障害と闘う新たな上司、

ヒデさんこと月本ヒデトシ警部と2人でなんとかかんとか過ごしながら・・・


秋になった頃、ヒデさんが突然『部屋の照明を換える』と言い出した。


『サンマを食べる為にはどうしてもこれが必要なんです。』

と力説するヒデさんは、

段ボールに梱包された状態のまま部屋の片隅で埃被っていたそれを見せてくれた。