「!!?」


<もう貴方達は信用に足らない。

リカさんが黒部さんの元へ帰る事は無いだろう。>


「どういう事だ・・・・?
禁止事項は守ったはずだ!!?」


<我をおちょくっているのか?
ますます憤りを隠せないな東条警部?>


「だからさっきから何を!?」


<【黒部さんに赤い上着を着せろ。
それ以外の色は認めない】

貴方達の目は節穴か?

2軒目のファミレスで確認させて頂いたが、
それはどこからどう見ても黒ではないか?>


「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


<残念だよ東条警部。我は本当にリカさんを傷つけるつもりは無かっ・・>


「聞いてないぞ・・・・?」


<・・・・・・・・。>


「赤い上着・・?
ふざけた事を言うな!!!

そんな要求なんて無かったはずだ!??」


<見苦しい言い訳はやめろ。

その500万円で、せいぜい立派なリカさんの墓でも建ててやるんだな。>


「待っ・・・!!」



“・・・プー・・・プー・・・プー”



「・・・・・・・・・・・・。」







「東条さん!一体何が・・!?」



「・・・新谷・・・待機させてた覆面をすぐに緊急配備しろ!!」



新谷に指示を出した後、
すぐに県警本部長へ連絡を取った。


所轄、方面本部、県警。

動かせる全ての人間を動員して、

横浜市内・・いや、
神奈川県内全ての一斉検問を直訴した。



赤い上着を黒部さんに着せる・・・?


黒部さんの家に到着してから今まで、

この数時間の記憶を必死に辿るが脅迫状にも、

電話の中でもそんな事は絶対に言われていない。


いや仮に、
何らかの行き違いがあったとしても・・

どうしてそれだけで交渉を中止する・・?


・・・・・どうして・・・?