――――――
遅い・・・・・・・・・・・。
まだか・・・・・?
あれから軽く2時間は経過したが、
一向に動きが無い。
30分遅れで着いていたとしても、
1時間以上は経過している事になる。
焦らしてこちらを疲弊させる魂胆か・・?
・・・頑張れ黒部さん・・・
心を強く持ってください・・・。
時折、新谷から報告が入るが、
黒部さんは鞄から手を離すことなく、
直立不動で佇んでいる様子だっ・・
「東条さん!!こちら新谷!」
「!?・・どうした?」
「携帯に電話が掛かってきた模様!
黒部さんがポケットから出して・・
今耳にあてて・・・
・・・え・・・・・・?」
「・・・・・?」
「!!!!!!?
東条さん!!すぐに突入を!!!!」
長年付き合いのある新谷の息遣いだけで、
事の重大さを理解する。
“突入”の言葉が出る前に、
体を起こして後部座席のドアを開けた。



