神野のおかげで、
ガサも手際よく進められた。

西平の自供通り、
数々の物的証拠を発見できた。


同時進行で逮捕状も請求して、

ちょうどあらかたのガサ入れが終わった所に、裁判所からの紙が届く。


前もって宣言していた通り、
神野にそれを渡した。




「西平ヤスシ。現時刻を以て4件の殺害容疑で通常逮捕する。

手錠かけるから両手出せ。」


「・・お前・・・名前なんだ・・?」


「神野シン。」


「いいねぇ・・・。
お前とはまたどこかで会う気がする。」


「あんた自分の立場分かってるのか?

4人もの命を奪った上に、
被害者への尊厳の欠片も無い残虐な手口。


言い訳なら取り調べでたっぷり聞いてやるが・・俺に会うどころか、

もうシャバの空気は吸えないと思え。

大人しく・・・
【死刑】判決を受け入ることだな。」



「・・・・・いいや・・・お前とはいつかまた会う。俺の勘は当たる。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「死刑か・・・・フッ・・・フッ
・・俺は死なねぇぜぇ・・?」



不気味な笑みを浮かべた西平だったが、
神野の表情は一切変わらなかった。


淡々と・・だが力強く。神野にとって、

1課としてのキャリアをスタートさせる最初の手錠が、西平の両手に掛けられた。






第4章 完