現金引き渡し場所となる最終目的地の建設現場住所を告げた後、電話が切られた。


「自信過剰野郎め・・・。

東条さん、リカさんを奪還した後はもう禁止事項もへったくれも無い。

付近に覆面を配置しておきましょう。」


「そうだな・・だが念の為、
半径5㎞以内の配置は避けよう。

警察車両は1台まで、
という事項がある以上、

犯人が間違った捉え方をしかねない。

逃走を図ったら、
無線で連携しながら捕まえるぞ。」









黒部さんの車の後部座席。

その足下部分に体を倒して横になった後、上から新谷に黒いカバーをかけてもらった。


これで傍から見れば、黒部さんの車にも刑事が乗っているとは分からない。



「・・リカ・・・絶対助けるからな・・・リカ・・・。」


「黒部さん大丈夫です。
落ち着いて安全運転でいきましょう。」



新谷達が乗る追尾車両との無線状態も確認出来たところで、

黒部さんがアクセルを踏み込んだ。






第3章 完