・・・・・・・・・・・・・!!?

「ウグッ・・!」


天津飯の注文を受け取ったママさんが厨房を振り返ったと同時に、

左胸が強烈な痛みを発した。


幸いママさんも大将さんも気付いていない。

小さく深呼吸を繰り返してその痛みに耐える。




“一度、大きな病院で診てもらったほうがいい”


近所の町医者が何度も私を説得してきた言葉が頭の中で響く。


「休んでる場合じゃないんだよ・・。」


小さく独り言を呟き、気休め程度の粒薬を1つ口に入れて水で流し込んだ。



“ガラガラガラ!!!”


!?

ようやく左胸が落ち着いた時だった。


店内の扉が勢いよく開けられ・・・


「・・・西平君・・・。」


「・・・ハァハァ・・ハァハァ・・。」


扉の前に立っていた彼の顔は、
汗と涙でくしゃくしゃになっていた。


息を切らしながら、ボタボタと溢れて頬を伝っていたその目が私を強く見つめている。