「君の言う通り、タダ働きで犯罪に加担するような人間はいない。

恐らく共犯者達は・・
【既に主犯から金を受け取っていた】。

依頼料を受け取り、
依頼されたとおりに電話を掛ける。

裏を返せば・・主犯はそれほどまでに逆探知を警戒していたのかもしれない。」


「・・なんでわざわざそんな事をしたんですか・・・?

リカを攫うことが目的だったんなら、

なんでそこで終わらずに、
脅迫状を送ったり身代金要求を・・・?」


「正直そのあたりの狙いは私もまだ分かっていない・・。

主犯にとって・・“失踪”ではなく、
“誘拐”が重要だったのかもしれない。

“黒部リカは誘拐犯に殺された”
と世間的に思わせたかったかもしれない。


だから・・犯人は初めから“交渉失敗”に持っていくつもりだったと考えられる。」


「・・・結局それですか・・・・。」


「・・・・・・・・・。」


「結局あなたは・・リカを・・・・

リカを助けられなかった言い訳を考えてるだけじゃないか!?」