「1つだけ・・聞いてもいいかな?」


「・・・・・・・・・。」


「君以外に、リカさんに好意を抱いていた人間に心当たりはないか?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「更にその人物には・・
少なくとも4人の仲間がいる。」


「・・どういうことですか・・・?」





自分独りになって、
冷静に1つ1つを振り返っていった。


実際に1人で車を運転して実験もした。


犯人が電話を掛けてきた場所。
犯人との電話の1つ1つのやり取り。


それを基に導き出した“複数犯”の可能性。


西平君は私のこじつけのような推理を静かに聞いてくれた。




「別に・・・あなたを否定するつもりじゃないけど、素人でも疑問に思いますよ。」


「・・何をかな?」


「あなたの言う通り4人の共犯者がいたとしたら、何が目的だったんですか?

身代金を受け取らなかったんだから・・

共犯者達はタダ働きしたと同じじゃないですか。」


「身代金目的だったと考えるとその壁に当たる。

だけど主犯の目的が最初から“リカさん自身”だったと考えれば、

その壁に1つの回答が出来る。」


「・・・・・・・・・。」