「・・・・・・・・・・・・・・。」


「神奈川県警の東条と申します。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「黒部リカさんの誘拐事件を捜査しています。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「大将さんやママさんに教えてもらったよ。
心中お察・・・・。」


「リカは見つかりましたか・・・?」


「・・・・いや・・すまない・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「テレビを点けても、
もう誰も僕にリカの事を教えてくれない。

あれだけ毎日ニュースに流れてたのに。
街にはたくさんパトカーが走ってたのに。

もう・・・みんなリカの事を忘れたんですか?」


「・・・ママさんに聞いたよ。

事件発生当時・・君は、神奈川中を探し回ってくれたんだね・・。」


「勝手に過去形にしないでください。
僕は今でも探しています。」


「・・・・・・・私もだ・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「もう私一人になってしまったが、警察も決してリカさんを諦めたわけじゃない。」


「・・・・僕を勇気づけようとしているのなら余計なお節介です。」


「・・・・・・・・・。」


「犯人を逃がした警察に・・・

“お金が取られなかっただけまだマシだった”って言ってるような奴らに、

慰めてもらう義理はありません。」


「そうだな・・・黒部さんと同じで・・
君にもお詫びしてもしきれない・・。」


「・・・・・・・・。」