「ボロくさいだろ?」
「この机・・バン!って叩けばすぐぶっ壊れそうですね。」
「俺がこの街に来た時からこんな感じだから相当なもんよ。
なんでも・・40年はずっとここで夫婦二人で営んでるらしい。
こんな見た目の店だけど味は確かだから、
メニュー全部オススメ!」
「せっかくだけど、
さっさと食べてすぐ戻りましょう。
俺は中華丼で大丈夫です。」
「忙しいねぇまったく。じゃあママ!
俺はいつものチンジャオロース定食!」
注文を聞いたママさんが、
厨房でタオルを頭に巻いてうちわを扇いでいた主人に伝えると、
早速中華鍋がジュージューと音を立てた。
「・・・チンジャオロースか・・。」
「ここのは特に美味いよぉ?
刑事さんも変更するかい?」
「いや、そうじゃなくて。
どっかでそのワード聞いたなと思って。」
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「今日のスタジオには元検察官で弁護士の東山先生にお越し頂いています。
先生よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
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ふと音がした方に顔を上げると、
“逆に何インチ?”と聞きたくなるような、
極小のテレビが神棚の横で映っていた。
画面にはいつもの司会者と、
“この番組にはこの人しかコメンテーターがいないのか?”
とツッコミたくなるほど、見る度に出演しているおっさんが映っていた。
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「西平ヤスシ死刑囚の公判日が決まったという事で、これ判決はどうなりますかね?」
「そうですね、死刑判決を覆すことはまず有り得ないでしょうね。
司法取引なんて前代未聞です。」
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既にマスコミにも流れてるのか・・・。
検察庁は意地でもその面目を保ちたいようだな・・。



