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刑事を乗せてるくせに、
堂々と駐禁区域に車を停めようとした運転手さんを促して、
コインパーキングに車を停めさせた後、
“路地裏”という言葉の意味を説明するにはうってつけのような、
小汚い細い道を案内してもらう。
やがて、更にこの路地裏の雰囲気を助長させる・・
知らない人は絶対に辿り着けないような薄汚い中華料理屋に着いた。
「イラッシャイマセー!」
立て付けの悪い扉をガラガラ開けると、
中国人の年配女性が声を挙げる。
「タケナカ!コンナ ジカン カラ アイカワラズ ヒマジン シテルノカ!」
「バ~カ。今日の俺はこの人の専属ドライバーなんだよ。」
片言の日本語で運転手さんとの会話を楽しんだ中国人ママさんが持ってきた水で、
喋り疲れた喉を潤す。



