・・くそっ!!もう時間が無い・・!


だけど疑問があれやこれやと沸くだけで、
結論が出せない。


八方塞がりというか・・
あーだこうだと喚くはいいが、

結局目の前にそびえ立っている壁を突破できない感じだ・・。


「なんか無いのかヒデさん!?」


『・・・・・力を借りましょう。』


「誰の!?」


『西平ヤスシだけではありません。

リカさん誘拐事件の鍵を握っているもう1人の最重要人。』


「・・・だから誰だっ・・?」


『東条警部です。』


「・・・・・・・・東条警部・・?」



『考えてみてください。

確かにその時は犯人との闘いに敗れ、
リカさんの救出に失敗しました。

ただ・・・・

今日までに閃いた可能性、交わした議論。
私達ですら辿り着けたんです。


現役の神奈川県警 刑事本部長を務めるお方が、その背中を憧れ追い続けた人物。

・・・東条警部も私達と同じ事を推理したのではないでしょうか?』


「だけど・・成果を上げられなかったという事は、

結局今の俺達と同じ様に、結論を出せず壁にぶち当たってたって事じゃないんですか?」


『新谷本部長と連絡を取ってみます。

東条警部の“手帳”でも残っていれば・・

彼は当時どこまで・・
そしてどうアプローチしていたのか。

もしかしたら、立ちはだかった壁を登り掛けていた可能性だってあります。』