「Es tut mir wirklich leid,dass ich verletzt wurde(傷つけてしまって本当にごめんなさい)」

音羽は深く頭を下げる。一緒に演奏していた時のことなどを思い出し、涙があふれていた。

「Ich habe einen traum……(私には夢があるんだ……)」

部屋の中から小さい声が聞こえてきた。その声に、音羽は耳に神経を集中させる。

「Kannst du mich unterstutzen?(応援してくれるか?)」

音羽はそっとドアに手を当てる。ドアの向こうに、ユールヒェンがいる。音羽は言った。

「もちろんよ。私は、何があってもあなたを応援し続ける。私はあなたの味方よ」

扉がゆっくりと開いた。目を赤くしたユールヒェンが「よっ!」と微笑む。音羽はユールヒェンに抱きつき、泣いた。ユールヒェンも泣きながら、「 Es tut mir leid(ごめん)」と繰り返す。