「ただいま戻りました」

俺のその一言で変わる空気。この場にいる全員が真剣な目でこちらを見た。


「…それでは、会議を始めましょうか。」



毎週2回行われるこの会議は、主にこの町やDAZに関する事が題材になる。俺の情報だけでなく、幹部全員の持つ情報を共有する。


「昨日、倉庫街を歩いていたメンバーから『Ruby』の奴らが女を襲っているという情報を得ました。時間帯は大体22:00頃で人数は5人ほどだそうです」

ここ3ヶ月ほどはどの勢力も大きな動きがなかったが、何故今になって動き出したのか…不可解でしょうがないのだ。

動いているのが『Ruby』ならなおさらで、俺らの左耳にある十字架ピアスも過去にこいつらが直接関わっていたというのもあり、幹部の表情が険しくなる。