「大切な、お話しが・・・」

「あん?」

「カジノ”M”今日潜入捜査日なんです。同伴じゃないと入れなくて。それで、あの・・・」

「なんだよ」



うぅ~(>_<)



言えっ!



言っちゃえ!



「私と一緒に同伴してくださいっ!!」

「ドォハン~?なんでだよ。”M”は欄と苫利君の仕事だろ?」



・・・ヤッパリ(:_;)



「いやぁ、そうなんですけどぉ。苫利先輩用事があって、課長が違う人探せって・・・」

「なんで俺なんだよ。タカだっているだろ」



・・・ソンナニ拒否ルンデスカ?


「だ、だって、高遠先輩捕まんないんですよぉ。センパァイ。・・・いいじゃないですか、心おきなくカジノができるんですよ?」

「まぁな」

「スロットならタイミング教えますしぃ」

「まぁな」

「・・・大山先輩好みのウサギさんがお出迎えしてくれるかもしれないですよ?」

「おっしゃ!行くかぁ」



そこっ??



食いついたの、そこなの?



「わ、私だって、先輩がビックリしちゃうくらい綺麗になっちゃうんですからね」

 ちょっとムキになって言ってみた。

「・・・なんだったら、欄じゃなくて、俺が誰かと行って来てやってもいいぞ」


 カチンッ!


「先輩の馬鹿っ!」

 ガチャっと電話を切った。

「加納君。今の電話は大山か?高遠か?」

「知りませんっ!」

 課長が聞いてきたが、あたしはムスッと椅子にフンゾリ反った。

「何を怒っているんだ」

 課長のボヤキが聞こえた。

「なぁにを怒ってんのよ」

 祥子先輩が近くに来た。

「いえ、なんでも」

 机に突っ伏してうなだれているあたしに、祥子先輩が一言言った。

「言っちゃえば言いのよ」

 慌ててガバッと体を立たせた。

「な、何のことです?」

「誰かさんによ。欄ちゃんの気持ち。そしたら向こうだって少しは変わるでしょ?」

「だ、誰かって。な、何言ってるんですか?わ、私の気持ち?何のことです?」

 ドギマギしていた。

「馬鹿ねぇ。そんなんだから何年も思い続けることになるのよ。あんなどうしようもない奴に。あんたの趣味が分かんないわ」