・・・好き?


私は亜樹のことが好きなんだろうか?
“好き”と言われ続けて麻痺してる?

確かに亜樹が気になって
亜樹が辛い顔を見せると

同じように辛くて・・・

でもそれは・・・

兄妹だからじゃない?

・・・ん


「コラっ」


「ヒッ」


「また独り言ちてんじゃん」


「ごめん」


「一番はさ」


「ん?」


「亜樹以外の人とキスしてみれば?」


「へ?」


「そしたら分かると思うよ」


「・・・」


「あ、理樹さんはダメだからね」


「なんで?」


「当たり前じゃん!
理樹さんなら嫌悪なんてないからねっ!」

オデコを指で弾かれて


「ゔぅ、わかりました」


誰かとキスするなんて
変なことを約束させられた


「んで?」


「ん?」


「明後日の入学式一緒に行けるの?」


「あ・・・んん」


そう言えば
東白へは送迎車があるって聞いたし
帰りはそのまま倉庫へ行くとも聞いた


「難しそう」


「そっか」


「ごめん」


「いいよ、謝らないで
琴の状況が変わったのは仕方のないことだもん」


いいよと笑ってくれる優羽

優羽が東白に変更してくれなければ
3年間独りぼっちだったかもしれない


「ありがと、優羽」


ギュッと抱き着くと
ギュッと抱きしめてくれて
止まったはずの涙が
またポロポロと溢れた


「泣き虫じゃん」


「ごめん」


「いいよ、ちょっと嬉しい
気づいてないの?
琴、感情が表に出るようになった」


そう言って優羽はまた
ギュッと抱きしめてくれた