「琴が2分遅れてきたから
10分前に到着してた私が12分の間にナンパされた数!」


・・・っ


「・・・ご、めん?」


「なんで疑問系?」


「だって・・・」


ナンパなんて天使が立ってたら
誰でも声かけたいに決まってるし


「あ゛?
頭の中で独り言ちるんじゃないわよっ!!」


「・・・ヒッ」


そうでした・・・
優羽には全てお見通しでした


「モールのクレープで許す」


「・・・っ」


そして

なんだか・・・
クレープを奢らされるようです


卒業式に会って以来
久しぶりに会う親友は

相変わらずで温かくて

会って5分で
泣きそうになった


「で?どうしたの?」


「ん?」


「泣きそうじゃん、琴」


・・・ゔぅ

そんなこと言われたら
崩壊です


「ヒッ、ゔぅ、んんっ」


駅前なのに

お昼なのに

人通り多いのに


色々思うことあるのに

優羽に抱きついて
ギャン泣きしてしまった




・・・・・・
・・・




「気ぃ、済んだか?」


男前の優羽にタオルで顔を拭かれて
うんうん頷くと


「とりあえず腹ごしらえ」


恋人繋ぎでモールの中へと移動した


「最悪買い物しなくていいから今日は吐き出しな」


カップルシートの個室へ通されて
優羽に頭を撫でられながら

引越してからの色々を
洗いざらい吐き出した


「で、その亜樹?のこと好きなの?」


「え?」


「無愛想で彼氏を作れない琴が毎日ベッタリなんて・・・
気持ちが入ってんじゃない?」


・・・ぶ、無愛想、ゔぅ