引越し早々に今までの生活から
弾け飛んだ日々に変換した

毎朝せいごんと道着に着替えて
白月さんの元へ行く

それが終わると亜樹に連れ出されて
倉庫へ軟禁される

同じ家に暮らしながらも
母とは顔を合わせることも少なくて

少し・・・寂しい

更に・・・

理樹さんも忙しいようで
隣の部屋にも帰ってきてないようだった


「・・・これ」


夜、ベッドに入る前に
理樹さんから貰った鍵を眺める

“いつでもおいで”って理樹さんの声が耳に残っているのに

最後に見た亜樹とのやり取りが
私の邪魔をする


こっそり母に聞いてみたけど
元々心臓の弱かった二人のお母さんは
亜樹さんを生んだ後で
亡くなったという

だったら・・・

理樹さんは亜樹さんを恨んでなんかないはず

でも・・・

あの時否定しなかった事実と

亜樹さんを煽った声が


やっぱり私の邪魔をする


少し負い目を感じる亜樹は
理樹さんに対して
感情をコントロール出来ないみたいで


二人の間に距離があると
今ならわかる


・・・・・・難しい


どうにか出来るなんて
1ミリも思っていないけど

縁あって一緒にいる私としては
やっぱり心が傷むのだ・・・




ピピ


ベッドサイドテーブル上のスマホが鳴って

ふと我に返った


[明日買い物行こう]


優羽からのメッセージに


[行く]


直ぐに返事を入れた


ランチ前に待ち合わせすることにして
早々にベッドに潜り込んだ