え?なに?
・・・・・・なんで?


パニックになり過ぎて
脳内がブラックアウトした


い、

息が・・・苦しい



いや


・・・・・・死ぬ




唇を合わせただけの口付けに
全身の力を奪われて

動けない私の意識が飛ぶ寸前に

亜樹さんがゆっくりと離れた






「馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁ」





ハァハァ、ゼェゼェ・・・
荒い呼吸が止められず

涙目になりながら
亜樹さんを睨む

初めてだったのに・・・

初めては好きな人とが良かったのに・・・



なにが番よ

なにが双子よ

ぐちゃぐちゃの感情が混ざって
ポロポロと涙が溢れる


「・・・グッ、ふ、フェ」


嗚咽に変わる私を
見ている亜樹さんは
とても穏やかな顔をしていて


「泣くな・・・琴」


聞こえた甘い重低音に

アンタが泣かした癖に・・・とか

勝手なこと言うな!・・・とか

言いたい言葉はひとつも唇から出てはくれなくて

自己紹介してくれた永遠さんや
大和さんに助けを求めることもせず

亜樹さんにしがみついて身体を震わせてしまった


「「激レア」」


そんな周りのつぶやきは耳には入らず

亜樹さんのシャツを濡らしながら
ただひたすら泣いて

抱きしめられている体温の高さに
頭がボンヤリした私は

泣きながら意識を手放した