「琴、おはよ」


「はよ」



昨夜遅くに迎えに来た母と
マンションに戻った私は

またも夜ごはんを食べ損ね
帰って早々にベッドに沈んだ

そして今朝2倍の量を平らげた


「疲れてない?」


「暇さえあれば眠い」


「15歳とは思えない老けっぷり」


クスクスと笑う優羽は


「両親共にOK貰ったから」


なんでもないことのように笑った


「え?嘘?ほんと?」


ボンヤリしている場合じゃない
カバンの中に手を突っ込んで
スマホを探し当てると

母の名前をタップした


(琴ちゃん忘れもの〜?)

「優羽も東白行けるって」

(嘘?凄いっ)

「熊に電話して!」

(熊って?)

「あ゛っ!ママ父?」

(なに〜ママ父ってぇ)

大爆笑を始めた母に被せるように

「今すぐ電話して!」

大声でまくし立てると
電源を落とした


キョトン顔で目の前に立つ優羽に

今日も可愛いぞ・・・
・・・じゃなくて


「また3年間一緒に居られるね」


そう言って手を繋いだ


「実はさ、反対されると思ってたんだよね〜
そしたら、両親の母校で簡単にOK貰えた」


「ってことは優羽の両親元ヤン?」


「そうみたい」


高校もまた同じ学校へ通えると
ひと安心した私たちだったけど

あの家へ引っ越しする私

今みたいに一緒には登校出来ない

そんな話をしながら
着いた学校も

卒業前のイベント続きで
午前中で終わった

そして・・・

放課後担任から呼び出された優羽と私は

相談室で驚愕の事実を知った