食後のコーヒーをテーブルに並べて置いて


理樹の膝の上に抱かれたままソファに座っていた


穏やかな時間が流れて
凄く心地いい


理樹の胸に頬を寄せて
トクン・・・トクンと規則的に打つ鼓動を聞いている


ただそれだけで想いが溢れてくる





「理樹の匂い・・・好き」


「・・・そうか」


「理樹の手も・・・好き」


「・・・ん」


「なんか・・・私ばっかり
好きみたいで狡い」


少し口を尖らせてみたけれど
理樹に見えるはずない


「浮気・・・しないでね」


「する訳ないだろ」


「いつも側に居てね」


「あぁ、もちろんだ」


「デートもしてみたい」


「あぁ」


「一緒に買い物も行ってみたい」


「なぁ琴、男が女に服を贈る意味って
知ってるか?」


「・・・・・・知らない」


「クッ」


余裕たっぷりに吹き出すから
理樹の顔を見上げると

スッと細められた双眸が私を捉えた


「それを脱がせる為」


耳に入ってきたのは低くて甘い声

視線と声に捉えられたまま
動けない私にゆっくりと近づいた理樹の顔が瞼の向こう側に消えた



「・・・んっ」



合わせられた唇が熱くて
恥ずかしさと同時に熱が生まれる


ピタリと合う唇が


離れると


「好きだ」


理樹の甘い声が聞こえる


何度も触れては離れるそれに


「愛してる」の魔法がかかり


もっとと強請るように
理樹のシャツを掴む手に力が入った


唇より熱い感触が輪郭をなぞるように動き


驚きで瞼を開けてしまった

間近に見える理樹の瞳に
欲情の炎が揺らめいていて

熱い感触の正体が妖艶に唇を濡らしていた